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霰粒腫(さんりゅうしゅ)とは

霰粒腫(さんりゅうしゅ)は、まぶた(眼瞼)の中にできる小さな固い腫瘤です。まぶたの内側にある脂を分泌する腺(マイボーム腺)の出口が詰まり、その中に分泌物が溜まって形成されます。麦粒腫と混同されることがありますが、霰粒腫は細菌感染を伴わない無菌性の炎症であることが特徴です。
霰粒腫(さんりゅうしゅ)の原因
- マイボーム腺の出口の閉塞
- 脂質(皮脂)の過剰分泌
- まつ毛の根元の慢性的な炎症(マイボーム腺機能不全)
- まぶたの縁の慢性炎症(眼瞼縁炎)
- コンタクトレンズの長時間使用
- スキンケア製品の使用不適切
これらの要因により、マイボーム腺から分泌される脂質成分が正常に排出されず、腺の中に溜まることで炎症反応が起こります。
霰粒腫(さんりゅうしゅ)の症状
- まぶたにコロコロとした腫瘤(しこり)ができる
- まぶたの腫れや違和感
- 異物感
- 軽度の痛み(炎症を伴う場合)
- まぶたが重く感じる
典型的な霰粒腫は痛みや赤みをほとんど伴わず、ゆっくりと発症します。
急激に大きくなることはまれですが、一度形成されると自然に完全に消失することはほとんどありません。
炎症が強くなった場合には「急性霰粒腫」となり、麦粒腫と似た症状(痛み、発赤、腫れ)が現れることがあります。
霰粒腫(さんりゅうしゅ)の治療
保存的治療
温湿布
1日数回、10分程度温めたタオルなどでまぶたを温めると、詰まった分泌物の排出を促します。
まぶたのマッサージ
温湿布の後に、詰まった腺を軽く圧迫して内容物の排出を促します。
抗炎症薬
炎症を伴う場合は、抗生物質の点眼薬や軟膏を使用します。
外科的治療
保存的治療で改善しない場合や、大きな霰粒腫には次の外科的治療が行われます。
ステロイド注射
初期の小さな霰粒腫の場合、腫瘤内にステロイド薬を注射することで縮小させることができます。
切除手術
霰粒腫を包む袋(嚢胞)ごと摘出する小手術が最も確実な治療法です。局所麻酔で行い、約10〜15分程度で終了します。
霰粒腫(さんりゅうしゅ)と間違えやすい疾患
霰粒腫に症状が似ている疾患には次のようなものがあります。疾患によって治療法が異なりますので眼科専門医によるくわしい検査が大切です。
- 麦粒腫(細菌感染を伴い、急性の痛みと赤みが特徴)
- 涙嚢炎(涙道の感染症)
- 眼窩蜂窩織炎(眼の周囲組織の感染症、緊急性が高い)
- まぶたの良性・悪性腫瘍
特に高齢者の場合、悪性腫瘍との鑑別が必要なことがあります。長期間改善しない、出血を伴う、急速に大きくなるなどの場合は、専門医にご相談ください。
霰粒腫(さんりゅうしゅ)の予防法
- まぶたの清潔を保つ
- メイク製品は清潔なものを使用し、就寝前には必ず落とす
- コンタクトレンズの適切なケアと使用時間の厳守
- 定期的なまぶたのケア(温湿布やマッサージ)
- 目をこすらない
つじおか眼科での霰粒腫(さんりゅうしゅ)の治療

当院では、霰粒腫に対して丁寧な診察と適切な治療をご提供しています。保存的治療から外科的治療まで、患者様の状態に合わせた最適な治療方針をご提案いたします。
症状でお悩みの方は、お早めにご相談ください。